「だったらこれ、千咲にあげる」
里乃は財布から社員割引券を取り出すと、3枚組になったそれを私にくれた。
「琴美さんのところの?」
「そうだよ。花火大会に行くなら、やっぱり浴衣が必要じゃん?女の色気度がアップ!」
誰と行くかなんて言っていないのに、里乃にはそれがすぐ分かってしまったみたいだ。
「ありがとう。正式に決まったら買いに行くよ」
快くそれを受け取り、自分の財布へと突っ込む。
「千咲、本当に変わったね」
「何処がよ?」
「全然違うよ。前より素直になった。 ……というか雰囲気が柔らかくなった」
柔らかくって……
まあ確かに、以前の私だったら里乃の言葉にもいちいち反応して怒鳴ったりキレたりしていたけど。
「もし私が変わったとしたら、それは全部アイツのお陰だよ……」
篠宮くんと出会ったから――…
里乃は財布から社員割引券を取り出すと、3枚組になったそれを私にくれた。
「琴美さんのところの?」
「そうだよ。花火大会に行くなら、やっぱり浴衣が必要じゃん?女の色気度がアップ!」
誰と行くかなんて言っていないのに、里乃にはそれがすぐ分かってしまったみたいだ。
「ありがとう。正式に決まったら買いに行くよ」
快くそれを受け取り、自分の財布へと突っ込む。
「千咲、本当に変わったね」
「何処がよ?」
「全然違うよ。前より素直になった。 ……というか雰囲気が柔らかくなった」
柔らかくって……
まあ確かに、以前の私だったら里乃の言葉にもいちいち反応して怒鳴ったりキレたりしていたけど。
「もし私が変わったとしたら、それは全部アイツのお陰だよ……」
篠宮くんと出会ったから――…