「お前だって篠宮の幼なじみだろうが」

「幼なじみって言ったって小学校上がるまでだよ?高校受験の時にこっちに出てくるまで、ずっとハルちゃんといたんだし……それにっ」

「長いとか短いとか関係あんのか?」


私の言葉を遮って、隆臣は真顔で答えた。


「この俺だってお前を好きになるのに時間はかからなかったけど?」

「……っ」


そう、だった。

隆臣が自分のことを好きでいてくれてること、すっかり忘れてしまっていた。


だって、あんなことがあった後なのに隆臣は平然としているし何事もなかったかのように話しかけてくるし……。


「篠宮が好きなのはあの女じゃなくてお前!高校受験でお前を追って来るほど、お前に惚れてんだよ」

「何言って……そんなのっ」


何もかも分かっているかのように、隆臣のその顔は自信たっぷりだった。