何、コイツ……

見かけによらず大胆な行動を取る篠宮くんに、ただ唖然とする。


「行っちゃったね、アイツ」

と小さくなっていくその姿を、笑い飛ばすように言った。


「ちょっと!何考えてんのよ!」


ハッと我に返り、自分たちが野次馬にジロジロと見られていることを思い出す。


「ちょっと来て!」


痛い視線が突き刺さって居た堪れなくなり、その手を引いて走り出した。

これでもかと全力疾走し、息を切らしながら少し離れた公園に駆け込む。


「……み、水」


駆け込むなり水道の蛇口を捻り、ひとまずカラカラに乾いた喉を潤した。


「高城さん、足速いんだね」


人が慌てているにも関わらず、冷静な口調で言いながら息を整える彼に溜息を吐く。