「何でそこで篠宮くんが出てくるのっ?」
ハルちゃんのことは記憶にあっても、篠宮くんのことだけはない。
「ああ、そうか!環の名字が違うから分からないのか。当時は“谷津倉(やつくら)”だったんだよ。親が離婚して今は篠宮だけどね」
谷津倉と聞いて“あっ!”と思いだす。
初めて自己紹介した時に、なんて覚えづらい名字なんだろう、と小さいながらに思ったことがあったっけ。
「え?じゃあ、私と篠宮くんは高校に入ってから知り合ったわけじゃないってこと?!」
「うん、そういうこと」
そんな大事なこと、どうしてもっと早く気付かなかったんだろう。
そもそも、何故篠宮くんは黙っていたの?!
パッと彼に視線を向けると、本人は黙ったまま突っ立っている。
「ねえ、どうしてそんな大事なこと話してくれなかったのよ」
「言う必要は無かったからだよ。別に昔のことだし」
冷静な態度で言葉を返してきた。
「昔のことって……」
確かにそうかもしれないけど、でも面識が無かったと思っていた私としては腑に落ちない。
ハルちゃんのことは記憶にあっても、篠宮くんのことだけはない。
「ああ、そうか!環の名字が違うから分からないのか。当時は“谷津倉(やつくら)”だったんだよ。親が離婚して今は篠宮だけどね」
谷津倉と聞いて“あっ!”と思いだす。
初めて自己紹介した時に、なんて覚えづらい名字なんだろう、と小さいながらに思ったことがあったっけ。
「え?じゃあ、私と篠宮くんは高校に入ってから知り合ったわけじゃないってこと?!」
「うん、そういうこと」
そんな大事なこと、どうしてもっと早く気付かなかったんだろう。
そもそも、何故篠宮くんは黙っていたの?!
パッと彼に視線を向けると、本人は黙ったまま突っ立っている。
「ねえ、どうしてそんな大事なこと話してくれなかったのよ」
「言う必要は無かったからだよ。別に昔のことだし」
冷静な態度で言葉を返してきた。
「昔のことって……」
確かにそうかもしれないけど、でも面識が無かったと思っていた私としては腑に落ちない。