「初めまして。聖蘭学園2年の深澤小春です」


聖欄……って超秀才ばかりが集まる有名高校じゃん!


「あっ、えっと初めまして。高城千咲です」

「千咲……?」


自己紹介をすると、彼女は一瞬首を傾げた。


「もしかしてチィちゃん?」

「へっ?」


“チィ”なんて呼ぶのは隣りの家の枢ぐらいだからビックリする私。


「小さい時、山形にある向日葵畑でよく遊んでた小春だよ!覚えてない?!」

「山形の向日葵畑って……えっ、もしかしてハルちゃん?」


忘れるはずがない。

だってあの畑は、おじいちゃんが何十年もかけて守り続けてきた大切な場所だから……。


「うわあ、良かった!覚えていてくれて!その呼び方、超懐かしい!」


ハルちゃんは嬉しそうに満面の笑みを浮かべる。


「チィちゃんが小学校上がる前に東京に引っ越しちゃってから、私達凄く寂しかったんだよ」

「私達?」


「私と環の二人」


へっ?篠宮くん?