「ずっとアンタに聞きたかったの。これ、何時何処で拾ったの?」


ロケットペンダントを見て、篠宮くんは目を見開いた。


「これ、小さい時に私が無くしたものと同じなの。 ……ううん、私のなの」


ペンダントを裏返し、そこに刻まれた自分の名前を指差す。


「俺は知らない」


そうやって顔を逸らしたって、嘘吐いてることバレバレだよ。


「用務員のおじちゃんが、アンタの落し物だから返してくれって……どうして持ってるの?」

「覚えてないなら、それでいいよ」


え?覚えてない?


「まあ……覚えてないのは無理もないか。小さい時のことだし」


篠宮くんは少しだけ悲しそうな目をして言った。


「高城さんに返すつもりだったからそのまま受け取って、っていうのも変だけど……つーか、さっさと勉強しないとマジで追い込み間に合わない」

「まだ話終わってな――…」

「マジでやれって」


強い口調で怒鳴られ、その迫力に口を噤んだ。


小さい時のこと、って言ってたけど……

もしかして遠の昔から出会ってたってこと?