「比べないよ、絶対……あ、それ」


ふと、彼の右腕の下に置かれたプリントに目がいく。


「私が前に破っちゃったプリントだよね?」


すると、篠宮くんはそれを隠すように教科書を重ねた。


“セロテープを持ち出して全部くっつけたんですよ”

すぐに隠されてしまったけど、確かにセロテープでひとつひとつ繋ぎ合わされていた。


「ワザワザくっつけたの?」

「俺じゃない、弟が勝手にやった」

「……何のために?」

「知らないよ、そんなこと」


知らないって……、

悪魔でシラを切るつもりなのか――…


「それ、ちょうだい」

「は?ちょうだいって……」

「だってそれ、私の為に徹夜までして作ってくれたものなんでしょ?」

「何でそれっ、」


慌てて椅子から立ち上がってから、ハッと我に返ったようにすぐ座った。