「何でもって……裸で校庭を一周しろ、とか一週間俺の下僕になれ、とか?」

「い、いいよっ。それがアンタの望みなら!」

「本当にそんなこと言っていいわけ?タカが勉強ひとつで」

「タカが勉強かもしれないけど、夏休みに毎日補習を受けるよりはずっとマシだよ」

「俺がとんでもない条件を叩きつけるかもしれないのにマシとか言って、高城さん本当に変わってるね。いや、馬鹿?」

と可笑しそうに笑う。


「ちょっ……」


そりゃあ馬鹿だけど、何もハッキリ言うことないのに!


「いいよ、そこまで言うなら見てあげる。ただし、前回の条件もそのまま続行するよ」

「うん、分かった」


「後で後悔しても遅いから。じゃあまた放課後」


篠宮くんはそう言って立ち去って行った。


「良かった……頑なに拒否されなくて」


“補習よりマシ”なんてあり得ないのに、何故自分があそこまで必死になったのか分からない。

でもだからこそ確かめたいのかもしれない。


篠宮くんの気持ち。

そして自分自身の気持ちを――…