「千咲ちゃんの知り合い?つーか、今俺ら超イイとこだって分からない?用がねぇならさっさと消えろよ」


怜二がそう言って彼をキツく睨みつける。


「消えるのはアンタの方でしょ!」


カッとしながらもう一度、その手に力を入れたが、やっぱりビクともしなかった。

篠宮くんは立ち尽くしたままじっと何か考え、そしてニコッと笑った。


まさか、このまま放置して行くなんてことないわよね?!

そう、不安になった時。


「知り合いじゃないよ。俺の彼女だよ」


思っていたことに反して篠宮くんはそう言うと、怜二の手を掴んだ。


「はあ?彼女だ?」

と気に入らない様子で、さらにガン飛ばす。


「別れたばかりだって言ってたぞ!」

「それは勘違い。喧嘩しただけで別れてなんかいないから」


そう言って笑うと、隙を突いて私の体を自分の方へ引き寄せた。