「冗談でしょ?」


唯くんの言葉に混乱を隠せない。


心当たりなんてそんなの――…


“何で俺が何とも思ってないような言い方すんの?”

“少しは考えたりしない?俺が高城さんのことを好きだって”

“この花壇が向日葵でいっぱいになったら、絶対に喜ぶ人が居るから”


「……今までの全部?」


思い違いかもしれない。

だけどもし、それが私に向けられた篠宮くんの気持ちだとしたら――…


“勝手にすればいいんじゃない?”

“ただの、気紛れだよ”

“勉強の邪魔になったから”


あの時の言葉は全部嘘?


「……っ、馬鹿じゃないの」


篠宮くんが言った言葉は、本心じゃないかもしれない。

そう思った瞬間、自分の心にかかっていた雲がスッと晴れたのが分かった。


アイツに確かめなければならないことがたくさんある。

それを確かめたところで、自分がどうしたいのかもハッキリ分からないけれど……。