「ところで一緒のお嬢ちゃんは初めてみる顔だねぇ。もしかしてオミの彼女かい?」

「そ、俺の」

「は?違うっての!」


おばちゃんの言葉に即答する隆臣を怒鳴りつけ、“ただの友達です”と答え直す。


「んだよ。今は違うかもしんねーけど、いずれはそうなるかもしれないだろ?」

「何があってもそれはないから安心して」

「意地張らずに素直になれよ」

「意地になってない!」


私達のやり取りを側で聞いていたおばちゃんが


「若いっていいわねぇ」

と面白そうに声をあげた。


「オミが店に女の子を連れてくるなんて初めてだから、ちょっと驚いたよ」

「え?初めて?」

「ああ。男友達は何回も連れてきてくれるんだけどね、女の子はアンタが初めて」

「おばちゃん、そんなこと言わなくていいから」


隆臣は食べ終わると、水を一気に飲み干した。


「御馳走様でした。とても美味しかったです」

「いつでもまた食べにおいで」

「はい」