「オミ、千咲ちゃん」


勉強をしているところに、橋本先輩が入ってきた。


「千咲ちゃん、捗ってる?」

「あ、はい。隆臣の教え方が上手いんで」

「だろ?コイツ、出席日数は足りなくても成績だけはいつも一番だったからな」

と自分のことのように自慢する先輩。


「ある程度勉強進んだら、この後飯食って帰らん?俺、超お腹減ってやばいんだよ」

「んなの一人で食いに行けよ」

「一人で食う飯より大勢で食う方が美味しいじゃん。だから人助けだと思って行こうぜ?」


先輩は甘えるように隆臣にくっつく。


「気持ち悪ぃからくっつくな!」

「行くって言うまで離れない」

「ああっ、分かったから離れろ!」


そんな先輩を引き剥がし、隆臣はウザそうに言った。


「その代わり、お前の奢りだかんな!千咲、片して仕度しろ」


隆臣に言われるがまま、開いていたノート類を閉じて帰り支度を始める。


「二人って本当に仲いいね」

「小学校の頃からの付き合いだからね~」


小学校……随分と長いんだ――…