見た目的に自分と同じ側なんじゃないかと思っていたから当然だ。


「転入試験、オール100で教師がみんな腰を抜かしたらしいぜ」


ここの転入試験は結構難題だって聞いたことがある。

それを満点合格したって……尋常じゃない。


「俺も前に授業で分からないところを教えてって言ったら、教師よりも教え方が上手くてアッサリ解けちまったし」


橋本先輩は隆臣のことを褒めまくる。


「だから勉強するならオミに見てもらえば?その方が効率的にもいいと思うよ」

「……で、でも……」


どうしよう……


篠宮くんの教え方も分かりやすいし、

私のためにワザワザ問題のプリントまで作ってくれてるのに……


「――それとも、アイツが好きだから無理って?」


先輩の言葉に黙り込む私の顔を覗き込む。


「別にそんなんじゃっ」

「じゃあ、迷う必要なんかねえだろ?」

「でも見てもらうって最初に約束したのは篠宮くんだから……ごめん」


そう謝ると、隆臣の腕の間をくぐり抜けて先を急いだ。