――――放課後――――・・・


「千咲は今日も居残り組?」

「うん、そう。またね!」


荷物をまとめながら、帰り支度をしている里乃に返事すると、私はバッグを肩に掛け、図書室へと向かった。


「おー、偶然!」


その途中、階段前で友達と喋っている隆臣と鉢合わせ。


「……アンタ、如何にもガラ悪そうに見えるよ」


その姿はまるで、コンビニの前に集る不良そのものだった。


「もう帰んのか?」

「いや、ちょっと寄るとこあるから」

と階段を通り過ぎようとすると。


「またアイツと会うわけ?」


隆臣は目の前に立ち塞がると、壁に手をついて行く足を止めた。


「変ないい方やめてくれない?会いに行くんじゃなくて勉強しに行くの!」

「勉強なんて自分ひとりでやりゃあいいだろ」


……それが無理だから教えてもらう必要があるのよ。