「高城さんのこと、嫌いじゃないよ」


そう、柔らかな表情を向ける。


「嫌いじゃ、ない?」

「うん、嫌いじゃない。女の子らしい一面持っててイイと思うけど」

「女の子らしい、ってどういう意味?」


そんな一面を見せたことなんて一度もないけど……


「花を見て嬉しそうに笑うぐらい、大の花好きとか女の子らしいじゃん?」

「えっ!」


彼の言葉を聞いて、彼の両腕を咄嗟に掴み返していた。


――ちょっと、待って……


「今、何て言った?」

「何って……」

「~~っ、何で私が大の花好きだってことを篠宮くんが知ってんの?!」


そう聞き返すと、篠宮くんは口角を釣り上げて笑った。


「さあ?何でだと思う?」


またしても、そうはぐらかされる。


「……もしかして、アンタって実はストーカー?」


冗談交じりに言うと、彼はハハッと可笑しげに笑いながら“そうかもねー”と答えた。