だ、だって……


「突然変なこと言いだすからっ」


冷静で居られるはずがない。

篠宮くんが私のことを好きだなんて……


「……本当、なの?」

「何が?」

「だから、その……私のことが好きって」

「……さあ?どうだろうね?」


ここまで来て、彼はニッコリ微笑んで言葉を濁す。


「さあって……」

「――俺がどう思っているのか、そんなに知りたい?」


篠宮くんは腕をギュッと掴んで聞き返してきた。


知りたいけど知りたくない気もする。

知りたくないけど、知りたい気もする。


「ちょっと待って」


もし彼の言うことが本当だったとしたら、それはそれで反応に困る。

好きと言われるのは嫌なことじゃないけれど、相手が相手なだけに想像がつかない。


「俺……、」