「……は?」


愛美の言葉に間抜けな顔を浮かべる自分。


「何で?」

「だって今、私の彼氏が唯くんだって知った瞬間、お姉ちゃんの顔がホッとした」

「ホッとなんて……」

「してたよ。自分の気持ちにも気付かないなんて、案外お姉ちゃんって鈍感なんだね」


愛美は呆れた様子で溜息吐いた。


「だーかーらっ!アイツのことなんてっ」

「100%好きじゃないって言い切れるの?」

「それは……」

「ほら、自信がないじゃん。気持ちに思い当たるような節がある感じ」

「……っ、」

「お姉ちゃんの恋愛だから私が口を挟むようなことじゃないと思うけど……お姉ちゃんはいつも大事な時に自分の気持ちに素直になれないことが多いんだから、変な意地とかプライド捨てなって」


愛美はそう言うと、机の上のリモコンに手を伸ばした。