「おい。俺がお前に話があるっていっただろう?その後にしてくんねえかな。」







よしくんが今までに聞いたことのない低い声でそう言うとノブヒロは殴るのをやめた。










「なんだよ。話って。さっさと済ませろよ。俺は沙織と話さなきゃいけねぇことが出来たからな。」






あたしは恐怖と不安に襲われ泣いていた。

よしくんがあたしの横に来て抱き締めてくれる。


「俺が沙織ちゃんもらうわ。お前より俺の方がいいって。だから今後一切沙織ちゃんに手出すなよ。」






その言葉にノブヒロがキレた。





「あ?なんでだよ?沙織は俺の彼女だぞ。お前には関係ねぇだろ。ふざけんな。意味わかんねえ。」






ノブヒロはあたしの側に来て腕をつかんだ。
そしてよしくんから引き離し玄関まで引きずられた。





「おい。靴はけ。帰るぞ。」