いつの間にか町の中心部に来ていた。


たくさんのお店や携帯を片手に歩いているサラリーマン。

楽しそうにお喋りをして歩いている学生。


今までの私とは無縁の景色がそこにはあった。



「人いっぱいいるね…」



「そうだなぁ。施設があった場所は長閑(のどか)な所だったから余計にそう思うだろ。」




私たちがいた施設は、町外れの小さな集落にある。


近所の人はみんな優しくて学校も全員で100人といった所だった。



だから、今私が見ている風景はすごく新鮮だった。