「ねぇ」



「ん?」



隣で信号を待っている兄がゆっくりとこちらを向く。




ダークブラウンの髪。

そして眼鏡の奥にある優しい瞳。

昔から兄の事はかっこいいと思っていたが、離れている間にもっとかっこよくなった気がする。



「どうした?顔、なんか着いてる?」





そんなことを考えながら兄の顔をぼーっと見つめていた私に兄が怪訝な顔をして聞いてきた。





「ううん!何もついてない!久しぶりに会ったから懐かしいなぁって思って…」





「そうか。」








ハハッと笑いながら兄はアクセルを踏む。