あれは、高校3年の頃の話。
いつものように部屋でくつろいでいた私は突然鳴った大きな音や悲鳴に驚き、急いで外に飛び出した。

火が上がっていた。

“ゆり”が住んでいたアパートだった。

私達3人は近所に住んでいて、
まぁ、幼馴染ってやつ。

たくさんの人が逃げていて、
その中にゆりを探した。

「ゆり!どこ!?ねぇ、返事して!!」

「ち、な…、?」

とても、小さな声だった。
でも私の耳は拾ってくれた。
だから、ゆりを助けることが出来た。