「みんなちゃんとやってる。
お前も、げんきでやれよ。」

遠くを見る、もう私を移さないその瞳。
真っ直ぐに見られると吸い込まれそうで
すぐに逸らしてしまっていたけれど
初めてまっすぐ彼の瞳を覗き込んだ。

ずっと胸が高鳴っている。
顔も熱を持ってきて、
やっぱり逸らしてしまった。

「…あ、もうこんな時間か。
次はちゃんと、本物の“ゆり ”連れてくる。
いつかみんなでもくるよ。」

こっちの気も知らないで呑気だなぁ。
少しくらい反応してくれたらいいのに。

でもそれも仕方ない。