「なら元気に決まってんだろ。」

当たり前のように言う彼に、
涙腺をやられそうになった。

“ほんと、よくわかっていらっしゃる。”

大丈夫、泣かない。
わたしは笑って見せる。

「ゆりは元気にやってるよ。
初めは自分を責めてたけどさ、
最近は千夏もバカだよねって笑ってる。」

…そっか、ゆりが塞ぎ込んでるって風の噂で聞いてからずっと心配してたの。
元気になったんならよかった。

いちばんの不安が消えて、
ホッと息をついたら
冷たいと思っていた風も心地よく感じた。