「待ってる」

「ありがとう・・・?」

戸惑っている私の肩に手を置いて、口許を緩ませる山中 陽翔(やまなか ひかる)。口数も感情も少ないけれど、大人びいた性格で皆を見守ってくれている変わった後輩。でも、イタズラ好きで小悪魔な面があるのが少し不安。

「いってきます」

「あっ、いってらっしゃい!」

振り替えって深々とお辞儀をする津田 隼人。唯一の1年生で皆についていくのがやっとって表情をしていたけれど、今では人見知りも治りつつある後輩。私も見習って過去を乗り越えたい。
私を仲間として、友達として笑いかけてくれた皆のためにも私は過去と向き合わなくちゃいけない。そうしなければ、柏崎先生にいつまでも重荷を預けてしまう事になる。