「・・・分かった。サンキューな」

今日に限って何で物分かりが良いんだよ。そこはいつも通りそれなら他の奴に頼むって言ってくれなきゃダメだろ。
俺が困るんだよ。俺の心がそわそわして落ち着かないんだよ。健と千里が恋人同士になってしまったらって焦って仕方無いんだ。落ち着かないんだ。

「おう。明日、終業式だからってサボるなよ」

「わーった、わーったっ!じゃーな!」

「おー。またなー」

電話を切った後も胸騒ぎは収まらなかった。健がどんな奴なのか知ったら千里は心を許してしまうかもしれない。許さなかったとしても軽い話くらいは出来るようになってしまうかもしれない。千里の場合、軽くでも話せるようになったら恋人になれる可能性が出てしまう。今夜も千里の事で頭がいっぱいになって眠れなくなりそうだ。