「でも俺たち以外、誰も使わせないんだろ?一時間やり抜いてみろっていう生徒会からの挑戦状だって」

私のせいだ。不意にそう思ってしまった。私が皆の前で笑うようになるまでは校内の誰ともギクシャクしていなかった。なのに、私が皆と少しだけ仲良くできるようになると吹奏楽部の皆への風当たりが強くなっていった。
唯野くんが私のせいだと責めてくるのではないか。私のせいだと目や態度で訴えて来るのではないか。私はびくびくしながら皆の言葉を聞いていた。

「あー!!止めだ、止めだ!カシザキ!島岡!今回は二人にも出てもらうからな!」

現実を諦めたかのように立ち上がった唯野くんに驚いてしまった。でも、唯野くんはそんな私を気にする事なく演奏に参加するよう求めてきた。

「わーったよ。今回は手を貸さないとは言えねぇわ」