もちろん、そんなのは冗談だ。千里だって冗談だと分かってくれていると思っていた。だから、いつもみたいに笑いながら何ですかそれって言ってくれると思っていたんだ。

「結羽・・・くん。寂しい事・・・、言わないでください・・・」

思わず目を見開いたさ。だって、まさか本当に呼んでくれると思っていなかったんだ。半分は願望だったけれど、冗談で済ませようとしていたのに何でそういう所は真面目になるのかな。
千里に振り回されて、心臓が何個あっても足りない。後どれくらいあったらずっと一緒にいられるんだろうか。もう数百個は使ったぞ。

「わ、悪い・・・」

シュンッと落ち込む彼女がまた俺の胸を高鳴らせた。千里は後どれくらい俺の胸を高鳴らせれば気が済むのだろう。それまで俺の心臓はもつだろうか。