居心地の良い場所。そんな印象で私はこの丘の上に立っていた。柏崎先生も連れてきて良かったというような表情で私に微笑んでくれていた。

「これ、好きだったんだろ?」

先生はコンビニの袋から懐かしいパンを出してくれた。町にあるパン屋さんのチョコレートが中に入ったキャラクターのパンだ。
小さな頃はいつも祖母に着いていってはこのパンを買ってもらっていたっけ。でも、大きくなった今は少し恥ずかしくて買えなかったんだよね。小さな頃を知っているパン屋さんのおばあちゃんが亡くなって今は知らない人が切り盛りしていたから察してもらえる事も出来なかったし。

「知ってたんですか!?」

どうして知っていたんだろう。私、今絶対に顔赤くなっているよね。子供っぽいと思われたって恥ずかしくなって耳が熱いもの。