時々、罪悪感に浸る事があるの。私を心配しているせいで、皆が恋をしないんじゃないかって。私が頼りないせいで皆が目を離せないでいるんじゃないかって。

「ごめんなさい・・・」

先生には謝る事しか出来なかった。大丈夫だと私から言ったとしても、皆が先生に電話をすると知っていたから。私から止めるよう言ってもやめないと分かっていたから。でも、先生は許してくれなかった。許す条件を私に出して来たんだ。

「俺を下の名前で呼べるようになるまで許さねぇ」

意地悪な笑顔がとても印象に残った。いつも出てくる八重歯がやけに目立って見えたからかもしれない。私の脳裏に焼き付いて、しばらく離れてくれなかった。そのおかげで、私の心臓はバクバクと大きな音を立てて収まってはくれない。何とか頑張って言おうとはしてみるけれど、簡単にはいかない。