まさか、柏崎先生の口からデートしようと言われる日が来るなんて思わなかった。するかと訊いてきていたけれど、訊いてくる時は大抵自分がそうしたい時。
恋人同士になれて良かった。先生の新たな発見が出来るなんて思ってもみなかった。そっか、先生も行きたいと思ってくれていたんだ。
そう考えただけで嬉しくてつい、笑ってしまった。今日という日がこんな特別な日になるなんて思わなかった。私、これから初めて先生とデート出来るんだ。

「私、したいです!デート!」

笑いすぎたのかな。嬉しすぎたのかな。私の目にまた涙が溢れてきた。柏崎先生は安心したような笑顔で私の頭をクシャクシャっと撫でた。そして、そのまま手を差し出してくれたんだ。
反対の手には車の鍵がぶら下がっていた。初めてのデートか。どこに連れていってくれるんだろう。でも、その前に家にギターを置いていきたいと柏崎先生にお願いした。