どんな立場であろうと、俺はこのままではいけない。このままでは優しい元先生ですらいられなくなってしまう。
腹を決めるんだ。どう頑張ったって両思いになれる事はない運命だったんだ。嫌われる運命だったんだ。どうせ嫌われるのなら彼女を元気付けるために嫌われようじゃないか。

「お前の事が好きだ。異性として愛している」

自己満足でも良いじゃないか。嫌われるのには変わりないんだから。自分の心の中でくらい、良い事したと思わせてくれたってバチは当たらないはずだろう。
俺は彼女を傷付けた訳じゃない。彼女に嫌われただけなんだから罰を与える理由はどこにもないはずだろう。

「・・・?・・・、・・・!?」

夕日のせいなのか。俺たちの間に何が起こっているのか、自分でもよく分かっていなかった。