「無理に決まってんだろっ!」

「嘘つけっ!」

「言っちゃえっ!」

大人げないかもしれないが、普通に本気で投げていたし本気で楽しんでいた。俺の学生時代も、こんな陽気な友達がいてくれれば楽しかったんだろう。良い修学旅行になったんだろうなんて思ってしまった。

「あっ!!」

不意に起き上がった千里の顔に枕が当たりそうになった。まぁ、俺がギリギリの所で弾く事が出来たんだが年甲斐もなく騒ぎすぎたか。

「おはよ~。皆元気だねぇ」

外を見ると夜が明けていた。そうか、千里は俺たちの騒がしさに起きたのではなかったんだ。朝が来たから目が覚めただけだったんだ。