急に枕を俺に投げ、騒ぎ始めた健たち。これじゃ何も分からねぇ。分からねぇどころか、俺の避けた枕が千里の体に当たってんじゃねぇか。陽翔の奴、わざと当たる所に投げただろ。

「おまっ、わざとっ!」

健たちの笑顔に悪意しか映っていなかった。完全にわざと狙ったな。お前がうじうじしているからだと言おうとしている気がして腹が立ってきた。
お前らに何が分かるんだよ。好きなら言えば良いなんて呑気な考えしやがって。お前らイケメンと違って俺には確信の持てる武器も何も無いんだから仕方ないだろ。告白なんか出来るかよ。

「言っちゃえよっ!」

健がそう言って思いっきり振りかぶる。そして、俺の顔面目掛けて枕を投げてきたんだ。けれど、俺も当たるほどバカじゃない。枕を掴んで受け止めると健に負けない力で投げ返した。