俺は思わず起き上がったさ。寝返りをうって右から左に顔を向けたら四人の顔が目の前にあるんだから。女であれば、俳優並みのイケメンの顔が目の前にあるなんて夢みたいな話なのかもしれない。俺とは比にならないくらい四人が格好良いのは認める。けれど、男である俺にそんな事をされてもときめかないし心臓に悪いだけだ。

「なんか、寝れなくてよ。・・・ほら、男の人って特に苦手だろ?夢。・・・だから、寝て良いのかなって思ってよ・・・」

なんだ、そういう事だったのか。千里の事が心配だったんだな。心配性というか何というか。不安になる理由は分かるが、千里は確実に前へ進んでいる。今も乗り越えようと頑張っている。
少しずつ進んで行って、やっと俺たちに触られても怖がらないようになったんだ。変な気を使わせたと知った方が千里は傷付くと思う。もう少ししっかり構えてやっても良いと思うんだ。

「大丈夫だ。心配すんな」