「ありがとう。でも、助けにいけなくてごめんね?」

隼人くんは気にしないでほしいというように、申し訳なさそうに笑ってくれた。きっとみっともない所を見せてしまったと恥ずかしがっているんだと思う。隼人くんが女の人に戸惑うのなんていつもの事なのに。あれ、でも戸惑われない私って一体何なのだろう。もしかしたら女だと思われていないのかもしれない。それで隼人くんが笑えているのなら良いか。

「うわっ!タイム、タイム!」

いつの間にか、皆には笑顔が戻っていた。そして、私たちの周りにはいつの間にか知らない子供たちや学生たちが一緒になって走り回っていた。
そこには笑顔が満遍なく散らされていて、どんな人の心も豊かにさせてくれた。そして、ここの砂浜は皆を中心に笑顔が溢れていっていた。私はというと、交代で休憩を取りに来る皆を柏崎先生の近くにある席に座って迎えていた。