そこの女の子たち、全員気が強そうだから私が止めに入ったら喧嘩を売られてしまうかもしれない。そこまで酷い人たちではないと思うけれど、突き飛ばされたり手や足が当たったりしたら皆の堪忍袋の緒は絶対に切れる。
仲間思いなのは良い事だけど、難点だよね。皆は仕事や学校があるんだから問題にでもなったらどうするんだろう。私は本当に理不尽な理由じゃない限り、気にもされないけれど皆はきっとそうもいかないでしょう。

「柏崎先生っ♪」

どうしたら穏便に済ませる事が出来るのか、柏崎先生に訊こうと振り返った時だった。あの手紙の人がたぶんお友達と一緒に柏崎先生を逆ナンしていた。柏崎先生は誘いに乗ったりしないよね。もしかしたらと思うと不安で一杯だった。胸の奥がキュッとなって今すぐにでも止めに入りたかった。けれど、叶多くんが我慢の限界に近いのを悟ってしまった。だから、先に皆を何とかしなくちゃって思ったんだ。