もし、本当に柏崎先生の身に何かあったら立ち直れない。柏崎先生に申し訳無くて生きていけない。罪悪感に呑まれて誰にも会えない。
家に着いても降りる勇気が出なかった。この車を降りて家の中に入れば、私は皆を不幸の入り口に立たせる事になる。不幸のどん底に突き落としてしまう事になる。
柏崎先生とたけちゃんが手を引いて家に入らせてくれた。でも、祖父母の顔をまともに見る事は出来なかった。頭を下げて、謝るしか出来なかった。

「ごめんなさい」

祖父母は柏崎先生のお母さんから比較的軽い写真を見せてもらったようだった。だからなのか、二人は結構冷静に私を慰めてくれていた。仕方無い、どうしようもないと。
その日、柏崎先生たちは私の家に泊まる事になった。お母さんや旦那さんは祖父母のそばに寄り添ってくれていて、柏崎先生とたけちゃんは私と一緒にいてくれた。お姉さんは仕事が入ってしまったらしい。