泣きながら結羽くんと責める千里。このまま口付けをして押し倒せば確実に嫌われる。そんな事をしている場合じゃないと怒られる。
分かっていたけれど、俺のために必死になってくれている千里が可愛くて仕方ないんだ。愛おしくて、愛おし過ぎて。このまま二人で消えてなくなれたらなんて柄にもない事を思ってしまうんだ。

「落ち着け、千里」

正気に戻った千里だが、まだ怒っていた。それもそうだ。自分が死ぬかもしれないのに電話したんだからな。自殺しようとしているようなものだ。
弟たちを亡くして、死の悲しみや辛さを知っている千里からすれば取り乱して当然だ。怒り狂って叩かれてもおかしくはなかったはずだ。
千里、俺はお前が好きだ。愛おしくて仕方無い。だから、お前を助けたい。俺が無くせる全ての苦しみから解放したい。お前はきっと怒るだろう。でもな、お前が幸せになれるなら俺は死をも厭わないさ。