もしあの女が犯人だとすると、俺の腕に抱き着いてきたのはこの紙袋の中身を確認するためかもしれないな。バラしに来たのではないかと焦ったのかもしれない。けれど、この紙袋の1番上には本が2冊積まれていた。図書館の帰りだとでも思って自分の車で帰ったのかもしれないな。

「もしもし、真衣?今良いか」

俺は警察官をしている三女の姉に電話を掛けた。そして便箋や写真を全て送り、犯人の目星が付いている事も告げた。しかし、姉からは何とかしてみるけどという消極的な答えしか返ってこなかった。
ただ、婦警の姉に電話した事に気付いた千里は自分を取り乱した。なぜと俺を責めたが、口から出てくるのは俺を心配する言葉。そして、久しぶりの呼び方をされて嬉しくなっている俺がいた。

「何で電話したんですか!?警察に言ったら結羽くんが殺されるんですよ!?この写真みたいにバラバラになるかもしれないんですよ!?」