その肉を食べている写真もあった。さすがに胃に入ったコーヒーが戻ってきそうになった。けれど、注目しなければならないのは死体の方ではない。血に反射したり、肉を食したりしている背景の方だった。

「あの・・・人・・・、よ・・・?」

千里の体に力が入り、言葉が上手く出てきていない。けれど、千里は確かにあの女が写っているのではと言っていた。確かに、それは俺も思う。俺に言い寄っていて、俺が拒み続けていて。少し後をつけてみれば、千里と親しく話している所を見る事も出来るだろう。
最近、俺を思っている女。写真に写っているのは特徴的な痣がある手の甲。あの女にも同じ痣があるし、千里の言うようにあの女である可能性が高いだろうな。
俺の恋人であるのかと確認したのは恋人がこんな事をしているんだと教え、俺を傷付けないためだろう。けれど、俺は否定した。困っているとまで言った。だから、話しても大丈夫かもしれないと俺を信じてくれたんだろう。