写真の裏には“警察に話せば柏崎結羽がこうなる”や“柏崎結羽にこれ以上関われば島岡夢華。お前がこうなる”、“柏崎結羽を傷付けたら祖父母がこうなる”など脅迫に取れる言葉が並んでいた。警察に話せば俺の命が危ない。けれど俺の許を離れて遠ざけ、それをもし俺を傷付けたのだと犯人が捉えてしまったら。そしたら千里の祖父母の命が危ない。
俺に話してくれたのは、俺の身を案じてこそ。そして、この話はたぶん祖父母には話していないだろう。自分の心配をしてもし警察に話してしまったらと不安だったんだ。

「それ、全部なのか?・・・、見るぞ?」

紙袋の中身を訊くと千里は重く、戸惑ったように頷いた。だから、俺は千里から紙袋をもらって全ての封筒を確認したんだ。
全て、本当に脅迫文と残酷な写真だった。そして、下に行けば行くほど内容は過激になっていった。例えば赤い字に動物の毛が混じっていたり、死体がバラバラになっていたり。