「来年もよろしくねー、島岡先輩♪」

俺のように千里は笑顔で軽い挨拶をする叶多に救われているのかもしれない。千里の笑顔の曇りが少しだけ晴れている気がするんだ。
良かった。そうは思うけど、安心すると同時に俺の中の罪悪感がどんどん増えていく。あぁ、俺があの笑顔を曇らせてしまったんだと。自分がした事の重大さに気づくが良いと俺に語りかけて来るんだ。

「来年もよろしくお願いします」

千里と隼人が互いに頭を下げ合う。まぁ、挨拶と言ったらこれが一般的なんだよな。節目だからこそ、慣れている人だからこそちゃんとしっかりとした挨拶をとなるんだろうな。

「あ、僕もやるー!」

千里の髪で遊び始める叶多と陽翔。されるがままで笑えている所を見ると、そこまで深い恐怖を植え付けていないのか。