悩んでいる所へこうして俺が出てきて、ぶつかってしまったものだから戸惑っているのかも。
何にせよ、どう転がっても悪いのは俺だ。彼女にどうこう言える立場ではないのは事実だろう。距離を置いた方が彼女のためなんだよな。

「気にするな。待たせて悪かった。行こう」

居間にいる母さんたちに外へ出る事を告げ、俺は千里と一緒に家を出た。最後の最後に自分を抑える事が出来なかった。でも、健たちが来てくれた事で気不味く、重い雰囲気で年を越さずに済んだ。運が良いんだか悪いんだかよく分からないが、結果的には良かったのかもしれない。

「あけおめー。明けてないけどー」

やる気が無さそうにあくびをしながら冗談を言ってくる健。いつもならうざいだの鬱陶しいだの思うのに、今の俺には結構救われるノリだった。