頭を下げて部屋を出ていく豪邸の主人。柏崎先生は私の名前をボソッと呟いたかと思うと寝息を立てて眠ってしまった。しかし、眠ったと言えど柏崎先生が同じ室内にいる事には変わりない。
私は化粧を落として髪をとかし、着替える事も出来ないまま眠りにつく事にした。私が眠ろうとしているソファは柏崎先生が眠っているベッドからは離れた所にある。それに何かあれば割って助けを呼べるかもしれない窓の下にソファがあるし、柏崎先生ならさすがに大丈夫だよね。
完全に安心はしていなかったし、7割は警戒していた。けれど、私の心は寂しいような嬉しいような。色んな感情が入り交じっては私を満たしていた。
ライブが出来て、皆とまた1つ仲良くなれて良かった。次のライブはクリスマスだし気持ちを切り替えて頑張ろう。色んな人に話し掛けられて怖かった。柏崎先生と踊れて楽しかった。でも、密着して嫌だった。
なれない環境でのライブで体も心も疲れていた。気持ちが高ぶっていて特に疲れている実感はなかったのだけれど、ソファに横になると急に睡魔が襲ってきた。