寂しく孤独に落ちた反面、安心している私がいた。体が破裂してしまいそうなくらい、脈が大きく波打っていた。そのせいで頭がパンクしてしまいそうでうまく笑えていなかったかもしれない。
密着していた体が離されて落ち込みも喜びもしたけれど、問題はここからだった。柏崎先生のおかげでうまく踊れていた。ただそれだけだというのに、私とも踊っていただけませんかと他の人たちが誘いに来るのだ。
柏崎先生だから自然に寄せ合う事が出来たけれど、他の男の人となんて無理だ。体が振るえ、恐怖に怯え、固まり、何も出来なくなってしまう。頭の中もパニックになって周りの人だけじゃない。皆や柏崎先生にも迷惑をかける事になる。
私はドキドキしている胸を抑えながら、誘いを断り続けた。踊る気は無いんだとか、先程踊ったばかりなのでとか。相手の心をなるべく傷付けない理由を探しながら諦めてくれるのを待った。

「いい加減にしろよ、お前ら。俺の女に触んじゃねぇ」