私たちはお言葉に甘え、ライブが終わったあとも会場で客人に紛れて楽しんでいた。でも、ライブの出来を周りに褒められながら私は早く部屋に行きたいと願った。仮面パーティとして開かれているため、私たちもドレスやタキシードなど着なれない服装でいた。だから、似合わない物を見られているのが恥ずかしくて早く終わってほしかったんだ。

「俺と一緒に踊っていただけませんか?・・・なーんてな」

なれない雰囲気にあたふたしている私の前に跪いて手を差し伸べてきた柏崎先生。仮面をしているから一瞬誰だか分からなかった。けれど、この深い声と口許は柏崎先生。

「柏崎先生・・・」

やっと柏崎先生に会えた。そう思うと安心して肩の力が抜けた。柏崎先生もバレたかというようないつもの表情で笑ってくれた。