なぁ、神様。俺は彼女を守るために生まれた。そうなんだろう。生まれた意味を分かりやすく教えるために俺を愛してくれない両親の許に生まれさせたんだろう。
島ちゃんとあいつに会ってやっと分かった。自分が何をするべきなのか。いなくなった母親を追い掛けるのでも、俺と関わる事を避ける父親を待つのでもない。
俺はあいつには負けない。絶対に島ちゃんをあいつには渡さない。俺を愛してくれる人をオモチャのようにしか思っていないような奴に渡すものか。

「だろー?だからよー」

教室で二人きり。楽しそうに笑い合う彼女とあいつ。忘れ物を取りに戻ってきたせいで見る事になってしまった風景。俺の心は嫉妬ではなく、あいつへの怒りで満たされていた。
島ちゃんの気持ちを弄んで何が楽しいんだ。絶対に後悔させてやる。島ちゃんを弄んだ事を絶対に後悔させてやるからな。俺はお前を許さない。これからもずっと、周りに何を言われようと。