カシザキは顔を上げて俺を見ると肩の荷が降りたようにため息を吐いた。相変わらず、島岡先輩の保護者をして走り回っているんだなと思う反面、羨ましかった。
今でも先輩に俺は恋をしている。出来れば今でも一緒になりたいと思っているし、恋人として夫婦までいけたらなんて叶うはずもない願望まで抱く時がある。
ただ二人は言わないだけ、知らないだけで両思いだ。そんな二人の恋路を邪魔する度胸なんて俺には無い。俺に出来るのは叶わないかなって期待して話し掛ける事くらい。後は皆がしているように一緒に笑って助け合っていく事くらいだ。

「島岡先輩、お久しぶりですね」

「お元、気・・・です、か?」

そう、この感じだ。絞り出すような、言葉に詰まっているような。うまく喋る事の出来ない感じが愛しさを膨れ上がらせるんだ。
2年前と同じように俺たちは並んで座り、色んな話をした。