下心があるんじゃないかって気持ち悪がられるのと同時に警戒されてしまうかもしれないだろう。
気付いた時、すでに遅しとはこの事を言うんだ。俺の恋は終わった。そう実感した瞬間でもあった。でも、俺が片思いで耐えていられるのは島岡先輩が優しい人だったからなんだ。

「え?俺が来る前に?・・・あの、隣町の年明けのイベントでこいつの事助けようとしてくれたんですか?」

助けようとした。何かの勘違いじゃないか。俺はただ、ナンパされている彼女に見とれていたという何とも格好悪い事をしていただけだ。助けようなんてしておけば良かったと今言われて後悔しているさ。

「えっと・・・、急な事だったから驚いてしまいまして・・・。何も出来なくてすいませんでした」

取り合えず、謝るしかない。これ以上、印象が下がるわけにはいかない。