「あ、そうそう。夢華ちゃんがねー?最近、慣れてきたなーって思って~。もうそろそろお祝いパーティでもしてあげたいなーって思ってるの~」

それだけ。怪我をしたとか、危ない目にあっているとかじゃなくて。お祝いパーティの提案だと。一気に気が抜けてしまい、思わず長いため息が溢れてしまった。
なんだ、そうだったのか。無事なのか。本当に良かった。何かあった訳じゃないのか。
安心している俺をニヤニヤと笑いながら見てくる次女。そんな次女に悪かったなと文句を言うように睨み返した。
分かっているさ。俺の柄じゃないって言うんだろ。誰かを心配して、無事を知って安心して。そうやって誰かに振り回されるのは俺らしくないって言いたいんだろ。
悪かったな、俺らしくなくて。俺だって好きでなっている訳じゃないんだ。ただ、千里の事を思ったらそうならずにはいられないんだ。心配して、心を掻き乱してさ。笑顔を見て、全身の力が抜けるほど安心して。